まずフェイスオフとは何かが分からない方はこちらの記事をお読みください。
今回は、アイスホッケーの試合を開始、または再開される時に行われるフェイスオフの
ルールを解説いたします。
フェイスオフバイオレーション(Face-off Violation)
フェイスオフにはいくつかルールが定められております。(後述)
そのルールを破ると、
フェイスオフバイオレーション(Face-off Violation)という警告が
審判から下されることがあります。
バイオレーション(Violation)とは、日本語にすると「違反」「妨害」「侵害」という意味です。
1つのフェイスオフにて、片方のチームが2回フェイスオフバイオレーションの警告を受けると
ディレイング・ザ・ゲーム(Delaying the Game)としてマイナーペナルティが科され
そのチームは2分間1人少ない状況でプレーしなければなりません。
これはチームに対して科されるペナルティであるため
1回のフェイスオフにおいて、
片方のチームの2人の選手がそれぞれ1回ずつフェイスオフバイオレーションの警告を受けたとしても
自動的にディレイング・ザ・ゲームとみなされ、マイナーペナルティが科されます。
なので、1度警告を受けると、みんなルールを破らないように超慎重になるよ!
1度フェイスオフバイオレーションの警告を受け、
やり直して行う2回目のフェイスオフで何も違反せず、そのままプレーが再開された場合、
その時点に受けたフェイスオフバイオレーションが次のフェイスオフに影響することはありません。
フェイスオフのルール
それでは、どんな時にフェイスオフバイオレーションの警告を受けるのでしょうか。
フェイスオフについては細かくルールが決められていますが、
直感的に理解しやすく、そこまで難しいものではありません。
フェイスオフを行う選手以外は一定距離を保たなければならない
通常、各チーム1名ずつがパックを取り合うフェイスオフですが
それ以外の選手はそのドットから一定の距離を保つ必要があります。
サークルがあるドットの場合
サークルが付随するドット、
すなわちアタッキングゾーン・ディフェンシブゾーンのドット4つと
センターアイスのドットでは、
フェイスオフを行う選手以外はサークル内に侵入してはいけません。
逆に言えば、このサークル外の自陣であれば、
どこにポジション取りをしても良いことになっております。
(後述)
サークルがないドットの場合
サークルがないドット、すなわちニュートラルゾーンの4つのドットでは
フェイスオフを行う選手以外は4.5m(15フィート)以内に侵入してはいけません。
というのも、一つ上の欄で紹介しているサークルは半径が4.5mであり、
実際にはサークルはありませんが、
あると仮想して同じルールを適用しているに過ぎません。
フェイスオフが行われるまで、相手陣地側に侵入してはならない
ここでいう「相手陣地側」とは上の図のようなイメージです。
ハッシュマークのついているエンドゾーンのサークルの場合、
それぞれのチームはフェイスオフが行われて試合が再開するまで、
手前ハッシュマークより相手ゴール側に侵入してはいけません。
ハッシュマークのついていないニュートラルゾーンでのフェイスオフの場合
ドットよりゴールライン側に侵入してはいけません。
もし侵入してしまっていた場合には、
フェイスオフサークルの中に侵入していた時と同じように、
審判によって口頭で注意を受け、
場合によってはフェイスオフバイオレーションの警告を受けます。
選手たちはパックが落とされるまで動いてはいけない
選手たちがフェイスオフをする際の自らのポジションを定め、
準備完了であると判断した審判によって笛が吹かれ、
その笛の後にパックドロップが行われます。
この時、審判が笛を吹いて、いざパックドロップ!という段階では
選手たちはパックが落とされるまで動いてはいけません。
もし、審判が笛を吹いた後にポジションを移動した選手がいた場合、
審判によって注意を受け、元いた場所に引き戻されます。
もしパックドロップが行われる直前にフライングをして動き始めた場合には、
フェイスオフバイオレーション(Face-off Violation)の警告を受け、再度フェイスオフが行われます。
パックが落とされるまで、相手選手とボディコンタクトしてはいけない
一つ上の項目のものと似ているのですが、
パックドロップが行われる前に相手選手とボディコンタクトを取ってはいけません。
もし、パックドロップが行われる前に相手とのボディコンタクトを取った場合、
審判によって口頭で注意を受け、場合によってはフェイスオフバイオレーション(Face-off Violation)の警告を受けます。
先にポジションを定めるのは攻めている側のチーム5人
フェイスオフを行う際は、この選手のポジション取りが非常に重要になります。
相手のポジションとの兼ね合いで、そのポジション取りが吉と出るか凶と出るかが決まります。
よって、相手のフェイスオフポジションに合わせ、自分達が有利になるポジション取りが行われるのですが、
それではいつまで経ってもいたちごっこが続いてしまいます。
これを防ぐために、
攻めている側のチームが先にポジションを定め
その後は移動できないというルールになっています。
それに対して、守っている側のチームが攻めようとする相手チームのポジションに合わせて、自分達もポジション取りをします。
そのような段階を経て、フェイスオフが開始されます。
つまりは守っている側が有利であるというわけですね!
フェイスオフを行う選手1名ずつはスティックを氷から離してはいけない
フェイスオフを行う選手は、
審判によってパックが落とされるまで氷からスティックを離してはいけません。
もしフライングをしてパックが完全に氷に着く前にスティックを動かした場合は、
フェイスオフバイオレーション(Face-off Violation)の警告を受け、再度フェイスオフが行われます。
フェイスオフを行う選手の足とスティックの置き場所のルール
フェイスオフを行う選手は、
決められたスペースに自らのスケートとスティックを置きます。
図のように、エンドゾーンのフェイスオフスポット周りには
直角に曲がったラインが4つあり、ドットの前後には空白のゾーンがあります。
そのラインの外側に足をセットし、その空白のゾーンにスティックをセットします。
もしフェイスオフを行おうとしているときに、
この決められたゾーンから足やスティックがはみ出ている場合には
審判に口頭で注意を受けるか、フェイスオフバイオレーション(Face-off Violation)の警告を受け、再度フェイスオフが行われます。
ニュートラルゾーンのフェイスオフスポット5箇所には、
フェイスオフを行う選手を制限するラインがありませんが、
審判の裁量により同じような基準で注意・フェイスオフバイオレーションの警告を出すことができます。
フェイスオフをやり直した場合、その分の時間を元に戻す
フェイスオフは公平性が必要とされるプレーです。
前述のように、
違反があった場合には再度フェイスオフを行います。
そのような時は
その余分に数秒進んでしまった時計をオフィシャル(試合の運営スタッフ)が戻してから、
再度フェイスオフを行います。
まとめ
これからもアイスホッケーに関する記事を書いていきますので、是非お読みくださいませ!
以上になります。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!