こんにちは!
今回の記事では、全員がサラリーマン兼アイスホッケー選手をやっている、新進気鋭のプロチーム横浜GRITSについてざっくり解説していきます。
横浜GRITSとは
横浜GRITS(YOKOHAMA GRITS)とは、東アジア唯一のプロアイスホッケーリーグであるアジアリーグアイスホッケーに参戦する、神奈川県横浜市のプロアイスホッケーチームです。
ファンからは略称としてGRITS(グリッツ)と呼ばれることが多いです。
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https://grits-sport.com/
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https://grits-sport.com/ticket-information
ホームリンク
神奈川県横浜市内にあるKOSÉ新横浜スケートセンター (KOSE SHIN-YOKOHAMA SKATE CENTER)を本拠地としています。
収容人数 | 2,500人 |
住所 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-11 |
アクセス | 🚎新横浜駅から徒歩約5分 🚗第三京浜道路港北ICから車で約5分 |
駐車場 | 提携駐車場あり |

チームシンボル

横浜GRITSの”GRITS”は、英語で「やり抜く力」を意味します。
チームカラー
横浜GRITSのチームカラーは青(#00aceb)・黒・白です。
チームマスコット

チームのマスコットキャラクターは、グルーガ。
シロイルカをモチーフとしたマスコットです。
背番号は0602番(誕生日が6/2)
こんなまんまるぽっちゃりフォルムなのに、なんとスケートが得意。
そして、とにかくかわいいです…。
2019年設立の若き挑戦者・横浜GRITS
横浜GRITSは2019年に設立され、2020-21シーズンからアジアリーグに参戦。
現在(2024-25シーズン)は5シーズン目を迎え、リーグ内で最も若いチームです。
加えて、地方と比べて費用がかかる首都圏では、2009年にSEIBUプリンスラビッツが廃部になってからプロアイスホッケーチームがありませんでした。
そんな中、横浜GRITSが「アイスホッケー界の発展のために、首都圏にプロアイスホッケーチームが必要だ!」と立ち上げられました。
創設当初は選手集めに苦戦し、最初の2シーズンでの勝利はわずか1勝。
しかし、デュアルキャリア(後述)の理念に魅了され、横浜GRITSへの移籍を希望する選手が増加。
日本代表経験者を含む選手たちが、大型移籍でチームに加わり、戦力は着実に強化されていきました。
その結果、3シーズン目以降から徐々に勝ち星を重ね、5シーズン目の現在(2024-25シーズン)では、リーグ上位のHLアニャンやレッドイーグルスにも勝利。
かつては下位に甘んじていたチームが、いまやリーグの強豪を倒すまでに成長を遂げています。
そして、残る8試合をすべて勝利すれば、横浜GRITS初のプレーオフ進出も見えてくる。
この歴史的快挙を成し遂げることができるのか?今後の戦いに期待しましょう!
ホッケーと仕事の二刀流「デュアルキャリア」
横浜GRITSは、アイスホッケー界に新たにデュアルキャリアという概念を取り入れた新進気鋭のチームです。
このデュアルキャリアという概念は、アイスホッケー界のみならず、全てのマイナースポーツ界における以下の3つの問題を解消させるものです。
アスリートのセカンドキャリア問題
アスリートもいつかは引退を迎えます。
長い人生を考えると、プロのスポーツ選手としてのキャリアだけでなく、引退後の人生設計も重要です。
特にマイナースポーツの選手にとって、引退後も自由に生きられるほどの十分な収入を得ることは容易ではありません。
一方でメジャースポーツの選手であれば、タレントや解説者、指導者として活躍する道もあります。
しかし、知名度や市場規模が小さいマイナースポーツでは、そのような転身は難しいのが現実です。
そこで注目されるのが、「デュアルキャリア」という考え方です。
これはプロ選手として活動しながら、並行して別の仕事にも取り組むことで、引退後もスムーズに社会へ適応できるキャリアモデルです。
この方法なら、引退後にゼロから新しい職業を探すのではなく、すでに持っているスキルを活かして次の仕事に移行しやすくなります。
実際、アイスホッケー界でもセカンドキャリアに不安を感じる選手は少なくありません。
横浜GRITSの設立後、年を重ねるごとに、他チームで「プロ一本」で生活していた選手たちが横浜GRITSに集まるようになっています。
これは、デュアルキャリアのメリットが選手に浸透し始めた証拠といえるでしょう。
このように、デュアルキャリアはアイスホッケー界において、セカンドキャリア問題の改善策のひとつとして確立されつつあります。
マイナースポーツアスリートの収入増と生活の安定
デュアルキャリアを実践することで、単純に仕事が増えるだけでなく、選手の収入も向上し、生活に余裕が生まれます。
マイナースポーツのプロ選手であっても、競技だけでは十分な収入を得られないケースは珍しくありません。
さらに、オフシーズンには試合がなくなり、収入が途絶えてしまうこともあります。
こうした状況において、デュアルキャリアは大きな解決策のひとつとなります。
競技と並行して別の仕事を持つことで、収入の安定だけでなく、精神的な余裕も生まれるでしょう。
チームの経営負担も軽減される
デュアルキャリアの導入は、選手だけでなく、チーム側にも大きなメリットをもたらします。
選手が競技以外の仕事も並行して行うことを前提に雇用する場合、完全プロ契約のチームと比べて人件費を抑えることが可能になります。
その結果、収益基盤がまだ安定していないマイナースポーツのチームでも、運営の負担を軽減しながら選手を確保しやすくなります。
また、新たなチームの立ち上げがしやすくなることで、マイナースポーツ全体の発展にもつながるでしょう。
(もちろん、十分な給与を支払える環境が整っている場合は、適正な報酬を提供することが望ましいでしょう。)
「GRITS」の名前の通り、泥臭く「やり抜く力」
横浜GRITSが掲げる目標は、「アイスホッケーも一流・仕事も一流」。
選手たちは、競技だけでなく仕事にも全力を注ぎ、どちらにおいても一流の結果を出すことを目指しています。
当然ながら、一般的なサラリーマンよりも忙しい日々を送ることになります。
中には、上場企業で働く選手や、国家資格の取得を目指して勉強に励む選手もいます。
シーズン中のスケジュールは過酷そのもの。
朝は練習、ジムでのトレーニングをこなし、その後は昼から夜まで仕事に打ち込む。
そんな生活を続ける彼らのプレースタイルには、ひたむきな「泥臭さ」が色濃く表れています。
確かに、まだ日本代表クラスの選手が多く在籍するチームより地力で劣る部分もあるかもしれません。
しかし、「忙しさ」を言い訳にせず、「アイスホッケーも仕事も一流の結果を残す」という覚悟を貫く姿勢こそ、横浜GRITSの最大の魅力のひとつです。
横浜GRITSの誕生がもたらした転換点
これまでのアイスホッケーチームでも、選手が競技と並行して仕事を持つケースや、新たな事業を立ち上げる選手は少なからず存在していました。
しかし、デュアルキャリアを全面的に掲げた横浜GRITSの誕生は、その有用性を広く認知させる大きな契機となりました。
この流れを受け、アイスホッケー界ではデュアルキャリアを採用するチームが次々と誕生しています。
まず、2024年2月に新たに発足した独立リーグであるIJリーグ(同年9月に活動終了)に所属する東京ワイルズと名古屋オルクスは、ともにデュアルキャリアを導入したチームとして誕生しました。
(IJリーグ、東京ワイルズ、名古屋オルクスについても解説記事を後々更新します。)
さらに、2025-26シーズンにアジアリーグへの新規参入を発表した神戸スターズ、2026-27シーズンの参入を目標に設立された滋賀ブルーライズも、デュアルキャリアのコンセプトを取り入れたチームです。
この動きにより、アイスホッケーチームの設立・運営がより効率的になり、チーム設立のハードルが下がったことで、リーグ全体の発展が加速しています。
こうした変革の先駆者として、横浜GRITSが日本のアイスホッケー界にもたらした影響は計り知れません。
日本プロ野球殿堂入りのラミレス氏が共同代表

左から、横浜GRITS取締役兼GMの御子柴高視、共同代表のアレックス・ラミレス、代表取締役の臼井亮人(全て敬称略)
あの元プロ野球選手・監督を務め、今では日本プロ野球殿堂入りを果たしたアレックス・ラミレス氏が2022年より横浜GRITSの共同代表として名前を連ねることとなりました。
2020年の横浜GRITSアジアリーグ参戦以来、アレックス・ラミレス氏はアイスホッケー観戦にハマり、頻繁に現地で応援していたらしく、そこから共同代表として迎えた形となります。
今でも会場にて度々姿を表しています。
(アレックス・ラミレス氏は、横浜GRITSのみならず、2023年9月から日本アイスホッケー連盟の理事・広報委員長に就任しております。アイスホッケーにハマりすぎですよ…(嬉しい))
まとめ
横浜GRITSはアジアリーグに参戦するプロアイスホッケーチーム
- 本拠地は神奈川県横浜市
- 「やり抜く力」を意味する英語のGRITが名前の由来
- シロイルカがモチーフのマスコットキャラクター・グルーガが可愛い
- 2019年設立の比較的若いチーム
- 「デュアルキャリア」という概念を取り入れた、選手全員が「アイスホッケーも一流・仕事も一流」を目指したチーム
- アスリートのセカンドキャリア問題を改善
- マイナースポーツアスリートの収入増
- チーム側の運営負担軽減
- 横浜GRITS誕生以降、デュアルキャリアを取り入れたチームが設立され始めている
- 日本プロ野球殿堂入りのアレックス・ラミレス氏が共同代表を務める
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首都圏にお住まいの方や、9月〜4月の間に首都圏を訪れる方は横浜GRITSの試合をご覧になってみてはいかがでしょうか?
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