現在、日本が参戦中のアイスホッケー世界選手権ディビジョンⅠ グループA(2部)
今回は、第4戦(日本時間 5月3日 18:30から)の相手、ウクライナ代表について詳しく解説していきます。
アイスホッケー世界選手権ディビジョンⅠ グループA(2部)の概要・試合日程と敵国の総評については以下をご覧ください。
🇯🇵日本 vs ウクライナ🇺🇦
🇯🇵日本 | 🇺🇦ウクライナ | |
---|---|---|
世界ランキング(58ヶ国中) | 24位 | 27位 |
2024世界選手権 | Division1A(2部) 5位/6ヶ国 →実質世界21位 | Division1B(3部) 1位/6ヶ国 →実質世界23位 |
選手たちの主な在籍リーグ | アジアリーグ (日本・韓国からなる国際リーグ) | ウクライナトップリーグや、東欧の各Tier3レベルのリーグが多い |
注目選手 | – 平野裕志朗 (ICEHL・Innsbruck) – 佐藤優 (前シーズンKHL・Torpedo) | – Alexander Peresunko (スロバキア2部 HC Presov) – Andrei Deniskin (ポーランド1部 KH Torun) – Igor Merezhko (チェコ1部 HC Plzeň) |
競技人口(人) (2024年IIHFが発表) | 12,531 (1万人あたり約1.0人) | 5,341 (1万人当たり約1.4人) |
ルーマニアってアイスホッケー盛んなの?

競技人口は、日本が12,531人、ウクライナが5,341人と、ウクライナの方が、ただ、人口1万人あたりのアイスホッケー競技人口で比較すると、日本は約1.0人、ウクライナは約1.4人と、日本と比べたら少し多めです。
しかし、いろいろ調べてみた感じ、ウクライナのトップリーグはそこまでレベルが低くはないのにも関わらず、あまり盛り上がっていないような印象を受けました。
東欧で活躍する選手たち
今回のウクライナ代表のメンバー23名のうち、ウクライナトップリーグでプレーしている選手は8名のみでした。
それ以外の選手がどこでプレーしているのかというと…
- ポーランド1部PHL
- チェコ2部
- スロバキア2部
- ハンガリーErste Liga
などの、東欧のTier2~3レベルのリーグが多いようです。
これらのリーグは、アジアリーグよりもほんの少しレベルが高い印象ですが、今大会の相手国であるイタリア・イギリスなどのチームの選手たちの方がより高いレベルのリーグでプレーしています。
経歴だけで言えば、そこまで強豪国ではないような印象です。
(でも、今大会の蓋を開けてみたら、なんとめちゃめちゃ強かった…後述してます)
「古豪」ウクライナ

ウクライナは、近年はディビジョンⅠ グループA(2部)とディビジョンⅠ グループB(3部)を行き来することが多い国で、日本もよく同じディビジョンで対戦しておりました。
しかし、2007年まではずっと世界選手権トップディビジョンでプレーしており、まさに「古豪」の名が相応しい国です。
今大会のダークホース?
ウクライナは、昨年まで1つ下の世界選手権ディビジョンⅠ グループB(3部)でプレーしていた国。
そこから昇格してきたばかりですが、イタリアやポーランドなど強豪国相手に勝利し、イギリスともオーバータイム(延長戦)までもつれ込む接戦を繰り広げ、現段階で2位まで浮上しております。
この日本との試合でウクライナが勝利した場合は、ウクライナは来年トップディビジョンへ昇格が決定。
死に物狂いで昇格を狙ってくるでしょう。
ウクライナ 要注意選手
背番号 | ポジション | 名前(年齢) | 所属チーム |
---|---|---|---|
17 | FW | Alexander Peresunko(25) | スロバキア2部 HC Presov |
11 | FW | Andrei Deniskin (26) | ポーランド1部 KH Torun |
7 | DF | Igor Merezhko(27) | チェコ1部 HC Plzeň |
17番 FW Alexander Peresunko(25)

ウクライナ代表のエースFWがAlexander Peresunko(25歳)です。
ウクライナ出身ウクライナ育ちですが、17歳〜20歳の3シーズンはアメリカ・カナダのジュニアリーグでプレー。
ジュニア最後のシーズンには、カナダメジャージュニアCHLの一角であるQMJHLへ。
NHL選手の卵と競い合ったのちにウクライナトップリーグでプロデビュー。
そして直近の3年はより高いレベルの環境を求めてハンガリー・ルーマニアの国際リーグであるErste Ligaやスロバキア1部・2部リーグでプレー。
今シーズンはスロバキア2部にてゴールランキング1位・ポイントランキング2位になりました。
昨年の世界選手権ディビジョンⅠ グループB(3部)では、5試合で11ポイントと大車輪の活躍で、ウクライナの昇格に貢献。
今大会では、4試合で2ポイントとまだ本領を発揮できていないようですが、スピードとスコアリング能力に長ける、要注意FWです。
11番 FW Andrei Deniskin(26)

現時点で今大会のポイントランキングトップに君臨するのが、このAndrei Deniskin(26歳)
なんと17歳という若さでウクライナトップリーグでプロデビュー。
その後アメリカのジュニアリーグを2年間経験したのちに、再度ウクライナトップリーグへ。
直近の3シーズンは、より高いレベルのポーランドトップリーグPHLでプレーし、ポイントランキングTop5に入る活躍を見せています。
今大会、ここまで4試合で 3ゴール – 6アシスト – 9ポイント と絶好調。
ポイントランキングトップです。
決して自由にプレーさせてはいけない選手です。
7番 DF Igor Merezhko(27)

ウクライナ代表のスターDFがIgor Merezhlko(27歳)です。
ウクライナ出身・ウクライナ育ちですが、17歳〜21歳の時にカナダメジャージュニアの一角であるWHLでプレー。
世界一のジュニアリーグで腕を磨いた後は、ロシア2部VHL・デンマーク1部・スロバキア1部など、ヨーロッパのリーグの中でもレベルの高いTier2リーグで活躍。
今シーズン(2024-25)は、Tier1レベルのリーグであるチェコ1部Extraligaで活躍しました。
194cm / 100kg という体格の良さを武器に、日本代表の前に立ちはだかります。
日本 vs ウクライナ 過去の対戦成績
過去5年で、日本代表は3度ウクライナ代表と戦っており、2勝1敗と勝ち越しております。
2025.04.24(国際エキシビジョンマッチ) | 🇯🇵0-1🇺🇦 |
2023.04.30 (世界選手権ディビジョンⅠ グループB) | 🇯🇵5-3🇺🇦 |
2022.04.30(世界選手権ディビジョンⅠ グループA) | 🇯🇵8-2🇺🇦 |
しかし、今大会の直前に行ったウクライナとのエキシビションマッチでは、0-1で惜敗しました。
【世界選手権D1A】5戦中3試合を終えて
最終戦を迎える時点での順位はこちら。
試合数 | 得点 / 失点 | 勝ち点 | |
---|---|---|---|
🇬🇧イギリス | 4 | 16 / 9 | 9 |
🇺🇦ウクライナ | 4 | 14 / 7 | 9 |
🇮🇹イタリア | 4 | 11 / 10 | 7 |
🇵🇱ポーランド | 4 | 8 / 10 | 6 |
🇯🇵日本 | 4 | 11 / 14 | 4 |
🇷🇴ルーマニア | 4 | 5 / 15 | 1 |
昨日のルーマニア戦での勝利により、日本は世界選手権ディビジョンⅠ グループA(2部)への残留が確定しました。
このウクライナ戦が最終戦となりますが、やはり順位を1つでも多く上げたいところ。
また、今後トップディビジョンを目指すのであれば、このウクライナにはしっかり勝ち切る実力が必要でしょう。
結果予想
ウクライナは今大会のダークホース的なチームであり、非常に爆発力があります。
しかし、やるべきことをしっかり行えば、日本の実力であれば順当に勝利することができるでしょう。
僕の予想は、4−2で日本の勝利!

がんばれニッポン!
【2025年4月27日〜5月3日:池袋】アイスホッケー男子日本代表パブリックビューイングへ参加しよう!

この度、世界選手権ディビジョンⅠグループAの日本代表を応援するパブリックビューイングイベントを開催いたします!
共に、日本代表の応援を楽しみましょう!
開催日時 (日本時間) (試合時間の45分前より開場) | 4月27日(日) 18:30 vsイタリア🇮🇹 4月28日(月) 22:00 vsポーランド🇵🇱 4月30日(水) 18:30 vsイギリス🇬🇧 5月 1日(木) 25:30 vsルーマニア🇷🇴 (=5月2日(金) 1:30) 5月 3日(土) 18:30 vsウクライナ🇺🇦 |
場所 | sports&bar Bar-Spo 〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目24-3 西部ビル 2階 (クリックでGoogle Mapへ) |
定員 | 最大40名 |
参加費 (入場料¥1,000+飲み放題) | ▼基本料金 成人:¥3,500 未成年:¥3,000 未就学児:¥0 ▼🇷🇴ルーマニア戦 5月1日(木)25:30 と深夜なので入場料無料! 成人:¥2,500 未成年:¥2,000 未就学児:¥0 |
食事について | 各自注文・お支払い |
▼応募フォームは、こちらのページから👌
【IIHF TV】世界選手権 視聴方法
2025年のアイスホッケー世界選手権より、IIHFは独自の配信プラットフォーム IIHF TVを立ち上げました。

今回のアイスホッケー男子日本代表が参戦する世界選手権ディビジョンⅠグループAも、このIIHF TVからのみ視聴可能。
日本語対応もしており、操作は非常に簡単。

値段は1大会10ユーロ。
1,630円(2025年4月26日現在)でこのディビジョンⅠグループAの全試合を視聴可能になります。
(なお、トップディビジョンは15ユーロである模様)
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