【解説】試合中にプレー人数とルールが変わる⁉︎面白いアイスホッケーのルール

こんにちは、もんじです!

アイスホッケーは通常5人vs5人(ゴールキーパーを含めず)で行うスポーツですが

実はプレーする人数がコロコロ変わり

そのプレー人数によってルールが若干変わります。

今回は

  • 通常時
  • プレー人数が多いパワープレー
  • プレー人数が少ないペナルティキル
  • それらの時に変わるルール

について解説していきます。

また、以下の記事も併せてお読みいただけると、理解が早まると思いますので是非!

それでは、どうぞ!

通常時「イーブン・ストレングス(Even Strength)」

(画像引用:https://icehockey.fandom.com/wiki/Faceoff

通常時のようにプレー人数が等しい状態のことを
イーブン・ストレングス(Even Strength)と呼びます。

通常、スケーター5人ずつ + ゴールキーパー1人ずつ
合計6人ずつプレーしますが

反則行為が生じ、選手にペナルティが科された際には
どちらか、もしくは両チームのプレー人数が一定時間減り、

それに伴ってルールも少し変わります。

しかし注意すべきなのは、

両方のプレー人数が1人ずつ減っている場合
つまりはスケーター4人ずつ + ゴールキーパー1人ずつ
合計5人ずつでのプレーになった場合も
イーブンストレングスとみなされます。
(両方のプレー人数が2人ずつ減っている場合も同様)

パワープレー(Power Play)

(画像引用:https://hockey-graphs.com/2016/04/25/how-can-we-quantify-power-play-performance-in-formation/

片方のチームにペナルティがあり、

両チームのプレー人数が等しくない状態になった場合
プレー人数が多い方のチームの状態を
パワープレー(Power Play)と呼びます。

日本では、しばしば省略して「ピーピー(PP)」ともよく呼ばれます。

パワープレーになると
プレー人数が1人、もしくは2人多い状態でプレーすることができ
パスを劇的に繋げやすくなるために
得点チャンスが非常に生じやすくなります。

アイスホッケーでは、最低プレー人数が4人(ゴールキーパーを含む)と決められており、
例え片方のチームに3人のペナルティ遂行者が生じたとしても、
プレー人数が3人になることはありません。

そのため、プレー人数に生じる差は最大で2人までです。

ペナルティキル(Penalty Kill)

パワープレーとは逆に

反則行為をしてしまい、ペナルティが科されたことで
プレー人数が少ない方のチームの状態を
ペナルティキル(Penalty Kill)と呼びます。

日本ではよく「PK(ピーケー)」「キルプレー」と呼びます。

もんじ
もんじ

アイスホッケーのリンクで「ピーケー(PK)」と聞こえた場合
それはサッカーのPKとは全くの別物ですのでご注意を。

また、海外では「ペナルティキル(Penalty Kill)」のことを
「ショートハンデッド(Short-handed)」とも呼ぶこともあり、

NHL(北米の世界最高峰アイスホッケーリーグ)の実況はこちらを圧倒的に多用している気がしますね。
(英語ネイティブの方々、是非どちらが一般的に使われているのかコメントいただきたいです)

日本では「ショートハンデッド(Short-handed)」と言う呼び名はあまり使われておらず
長くアイスホッケーをプレーしてきた人でも、たまにこの単語を知らない方がいますね。

もんじ
もんじ

ちなみに「キル(Kill)」という英語は皆さんご存知の通り「殺す」「死なせる」という意味がありますが、
他にも「(時間を)つぶす」という意味があります。

「受けた罰(Penalty)の時間をつぶす(Kill)」という意味になりますね。

ペナルティキルの間は、1人(もしくは2人)少ない状態のため

どうしても相手全員のマークにつけず
基本的にはあまり相手選手に強いプレスをかけずに
引き気味で守ります。

キルプレーではあまりリスクを取らずにとにかく守り
ペナルティ時間を終えて、味方選手が戻ってくるまで必死に耐えるのです。

パワープレー(Power Play)・ペナルティキル(Penalty Kill)における特殊なルール

ペナルティキル側のチームにアイシングが適用されない

通常のイーブンストレングス状態ではアイシングというルールがあり、
ピンチなチームが、時間稼ぎを目的とした安易なクリアを行うと
試合が一時中断され、そのチームが不利になるような状況で試合が再開されます。
(厳密なルールに関しては上記の記事参照)

しかし、

ペナルティキル側のチームに対してはアイシングは適用されず、
パックを相手ゴールラインの方までクリアしたとしても試合も一時中断されません。

そのため、ペナルティキル側のチーム
パックを保持できた瞬間に
遠くにクリアして時間稼ぎを行ったり
その間に選手交代を行うことができる
のです。

パワープレー側のチームは、相手チームにパックを奪われるとクリアされてしまうので

なるべくパックを奪われないように
人数有利を活かしてパスを回して得点しようとしたり
相手にパックを奪われた時には人数をかけてプレッシャーをかけ、
相手にクリアされないようにプレーします。

パワープレー側のチームが得点を決めたら

ペナルティキル側のチームが遂行途中のマイナーペナルティが1回分破棄!

パワープレー側のチームが
1人多い有利な状況を活かして2分以内に得点することに成功した場合

マイナーペナルティをペナルティボックスで遂行していた選手は
ペナルティが破棄されることで
ペナルティボックスからチームに帰ってくることができます。

ここでは、
ペナルティが破棄されるのは、原則1回分だけである
というのが非常に重要です。

(画像引用:https://www.nytimes.com/athletic/124622/2017/10/12/breaking-down-film-montreals-static-power-play-and-how-to-fix-it/

例えば
片方のチームで2人が同時にペナルティ遂行
プレー人数が3人vs5人のペナルティキル状態となっている間に
パワープレー側のチームが得点に成功したとしましょう。

その時もペナルティが破棄されるのは1人分だけであり
その2人のうち、先にペナルティ遂行を行い始めた選手がペナルティ遂行を途中で終えることができます。

その後は、
プレー人数は4人vs5人でのプレー再開となり
ペナルティキル状態は続くのです。

(3人vs4人の状況でも同じ)

キルプレー側のチームが得点を決めたら

特に何も起きない

ペナルティキルの間は、ピンチが続き、
とにかく守ることに専念します。

しかし、稀にペナルティキル側のチームが得点することもあります。

そんな時は

特に何も起きません。

遂行されているペナルティが破棄されることはなく
ペナルティキルの状態のままプレーが再開されます。

4人vs4人(3人vs3人)の状況の時は?

では、

  • 両チーム1人ずつ減って4人vs4人
  • 2人ずつプレー人数が減って3人vs3人

となっている場合はどうなるのでしょう。

これらのように、
両チーム同じ人数のプレー人数が減っている場合
両チームのプレー人数に差はないので
イーブンストレングスとしてみなされ

上記で解説したルールは適用されません。

つまり、これらの状況のときは

パワープレー・ペナルティキル状態ではないので
普通にアイシングは両チームに適用されますし
どちらかに得点が生じたとしても、ペナルティが破棄されることはありません。

マイナーペナルティ以外のペナルティの場合

上記ではアイスホッケーで最も科されることの多い
最も軽度なマイナーペナルティが科された場合について解説してきましたが、

マイナーペナルティよりも重いペナルティがいくつかあります。

科されているペナルティに関わらず共通しているのは
プレー人数が少ないペナルティキル側にはアイシングが適用されないということです。

しかし、

パワープレー側が得点した時のペナルティ破棄については、
科されているのがマイナーペナルティかそうでないかでルールが変わります。

詳しくは、以下の記事をお読みください。

パワープレー・キルプレーでは、厳選された選手が出場

この1試合でほぼ必ず起こりうるパワープレー、キルプレーにおける試合内容が
その試合を大きく左右します。

パワープレーの2分間でいかに得点を奪うか
キルプレーの2分間をいかに守り切るか

両チームはとにかくそこに専念します。

そこでほとんどのチームでは、
パワープレー専用のセット
キルプレー専用のセット

を用意していることが一般的です。

もんじ
もんじ

パワープレーの成功率はおおよそ20%前後
(ペナルティキルの成功率は反対に80%前後)
って感じです!

この数値を以下に上げられるかが大事!

まとめ

「イーブンストレングス」「パワープレー」「ペナルティキル」まとめ
  • 「イーブン・ストレングス(Even Strength)」とは、ペナルティの有無に関わらず、両チームのプレー人数が同数である状態
  • 「パワープレー(Power Play)」とは、相手選手のペナルティによって起こる、相手よりもプレー人数が多い状態
  • 「ペナルティキル(Penalty Kill)」とは、味方選手のペナルティによって起こる、相手よりもプレー人数が少ない状態
  • ペナルティキル側のチームには、アイシングが適用されない。
  • パワープレー側が得点した時、キルプレー側の選手が遂行していたペナルティが途中でも1回分破棄され、ペナルティボックスから出てくることができる。
    (マイナーペナルティの場合)
  • 両チーム同じ人数の選手がペナルティ遂行中のイーブンストレングス状態では、生じた得点によってペナルティが破棄されることはない。
  • キルプレー側が得点しても、特に何も起こらない。
  • パワープレー、キルプレーでは厳選された選手が出場することが多い。

このことを理解しておくだけで、よりアイスホッケー観戦を楽しめるのではないでしょうか!

以上になります。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

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