アイスホッケーの延長戦「オーバータイム(Overtime)」とPS戦「シュートアウト(Shootout)」

サッカーでは、通常の試合時間である90分で決着が付かなければ、延長前後半15分ずつ、合計30分の延長戦を行い、そこでも決着が付かなければPK戦へと突入しますね。

では、アイスホッケーではどのような延長戦が行われるのでしょうか。

プレー人数が少ない延長戦「オーバータイム(Overtime)」

アイスホッケーにおいては通常、1ピリオド20分×3ピリオドの合計60分、試合が行われます。

その60分が同点で終わり、決着が付かなければ、オーバータイム(Overtime)と呼ばれる延長戦が行われます。
略してOTと表記されます。

このオーバータイムの試合時間は5分(世界選手権の決勝など、大事な試合においては10分)。
この5分間で先に点数を決めたチームが勝利となるサドンデス方式で行われます。
(※リーグによっては、このオーバータイムを行わず、すぐに後述のシュートアウト(Shootout)を行います)

しかも面白いのがそのオーバータイムにおけるプレー人数。

通常はスケーター5人+ゴールキーパー1人の6人ずつで試合が行われます。

しかし、アイスホッケーのオーバータイムでは
スケーター3人+ゴールキーパー1人の合計4人ずつで試合が行われます。

これにより、氷上のスペースが広くなり、大チャンスが生じやすくなっています。

こちらは、アイスホッケー史上最も盛り上がったオーバータイムとして名高い、2016年に行われたワールドカップでの北米U23vsスウェーデンのオーバータイムの動画です。

両チームに勝利のビッグチャンスがありましたが、最後には現在NHLにて類まれな結果を残している大スター選手Nathan MacKinnonの芸術的なバックハンドゴールで試合に決着がつきました。

PK戦ならぬPS戦「シュートアウト(Shootout)」

5分間のオーバータイムでも決着が付かなかった場合、
両チーム3人ずつの選手がペナルティショット(Penalty Shot、略してPS)を行います。
これをシュートアウト(Shootout)と呼びます。
略してSOと表記されます。

もんじ
もんじ

サッカーでいうPK戦と同じだね!

3人(5人)で決着が付かない場合、先攻・後攻を逆にして、サドンデス方式でのシュートアウトを続け、決着がつくまで行われます。
(※リーグによっては、1人目からサドンデス方式でのシュートアウトが行われます)

このサドンデス方式のシュートアウトでは、同じ選手が何度もシュートすることが認められています。

こちらは、アイスホッケー史上最も注目されたシュートアウトとして名高い、2014年に行われたソチオリンピックでのアメリカvsロシアのシュートアウト動画です。

8ラウンド目までもつれ込む大熱戦となり、アメリカがこの試合を制したのですが、凄いのはこの決勝ゴールを決めたTJ Oshie選手。

最初の3人のうちの1人目としてゴールを決めたあと、4ラウンド目以降のサドンデス対決では、8ラウンド目までの全てのシュートアウトを行い、ロシアの観客に囲まれた超アウェー会場&失敗したら負けというプレッシャーの中で、合計6回中4回ゴールに成功(成功率66.7%)し、アメリカを勝利に導きました。

ちなみにアイスホッケーのシュートアウト(ペナルティショット)の成功率は20%~40%ですよ?

マジでOshie凄すぎるって。

まとめ

「オーバータイム(Overtime)」「シュートアウト(Shootout)」まとめ
  • 60分で決着が付かなければオーバータイム(Overtime)と呼ばれる5分間の延長戦が行われる
  • オーバータイムでのプレー人数はスケーター3人+ゴールキーパー1人の4人ずつ。チャンスが生じやすい。
  • オーバータイムでも決着が付かなければ、両チーム3人ずつペナルティショットを行うシュートアウト(Shootout)へ。
  • 3人で決着が付かなければ、先攻・後攻を交代してのサドンデス対決を決着がつくまで行う。

このことを理解しておくだけで、よりアイスホッケー観戦を楽しめるのではないでしょうか!

以上になります。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

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