こんにちは!アイスホッケー選手のもんじです!
アイスホッケーは氷上で行われるコンタクトスポーツです。
ラグビーやアメフトではタックルに当たるプレーを、アイスホッケーでは「ボディチェック」「ヒット」と呼びますが
アイスホッケーはこれが認められているスポーツであり、選手同士が激しく体をぶつけ合うプレーがその魅力の一つであります。
しかし、誤ったチェックや危険なプレーは、選手の怪我を引き起こしてしまうため、アイスホッケーでは反則・ペナルティが厳しく定められております。
今回は
逆にどんなボディチェックが正当であるとして認められているのか
について解説していきます。
これを見ることで、目の前のコンタクトプレーが
反則か否かを判断できるようになるね!
重要なポイント4つ
そのボディチェックが正当なプレーであるためには、主に以下の4つの要素を満たしている必要があります。
相手選手がパックを保持、または保持しようとしていること
まず当たり前ですが、パックを保持していない選手を妨害するプレーは原則認められておりません。
パックを保持していない選手は無防備な状態であり、そのような選手にボディチェックを食らわすことは、大きな怪我を引き起こしてしまう恐れがあります。
またボディチェックのみならず、スティックや体を使っての妨害も、もちろん認められておりません。
ズル賢い選手は、審判が見ていないであろうところで足を引っ掛けたりしてくるんだよな…
良い子は絶対に真似すんなよ!
両者の接触部位が肩、または胴体(背中以外)のいずれかであること
肩・胴体での、もしくは肩・胴体の部位に対するボディチェックは受け身も取りやすく、比較的安全です。
しかし、ボディチェックを行う側が肘や膝などの関節面を当てに行ったり
受ける側の頭や足、そして無防備な背中が接触部位であった場合
怪我のリスクが大幅に上がることは想像に容易いでしょう。
そのようなボディチェックが行われた場合、故意か否かに関わらずペナルティが科されます。
特に頭に対するボディチェックと後方からのボディチェックは非常に危険であるため
かなり重いペナルティが科されます。
頭にボディチェックを食らったり、後ろからボディチェックを食らって壁に激突したりして
脳震盪を引き起こす選手がめちゃめちゃ多いんです…。そこから復帰できずに引退する選手も…。
ダメ絶対。
目的が「相手からパックを引き離すため」であること
例えば
「相手に痛めつけてやる」という執念が現れている場合や
「相手を気持ちよく吹っ飛ばしてやる」という目的意識
のみで行われていた場合、それは反則となります。
しかし
これは定量的な基準ではないため、判断がかなり難しくなります。
かなり激しいボディチェックは、それが結果的に相手選手をパックから引き離すことに繋がりますし、相手選手に恐怖心を抱かせることで、相手選手がパックを簡単に手放しやすくなるでしょう。
こればかりは、それぞれの審判や選手によって判断が分かれるでしょうし
地域によっても傾向が明らかに違ったりします。
例えば、アイスホッケーがかなり盛んな北米では、実際にそのような悪意がこもったボディチェックが行われたとしても
相手選手がパックを保持し
接触部位が肩、もしくは背中以外の胴体であった場合
見過ごされることが普通です。
「このボディチェックは悪意に塗れている!」という主張だけでは100%反則にならないのです。
相手を痛めつけることになんの抵抗もない性格の悪い人が得をするスポーツでもあります😂
僕みたいな優しい人は、相手にボディチェックいく時も、相手からパックを引き離しつつ、でも相手への痛みは最小限になるように、心の底でブレーキが自動に踏まれるんです…。
相手選手が無防備な状態にないこと
IIHF OFFICIAL RULE BOOK 2023/24 では以下のように記述されています。
There is a considerable amount of judgment involved in the application of this rule by the Referees. The duty is on the Player applying the check to ensure their opponent is not in a defenseless position and if so, they must avoid or minimize contact.
(チェックを適用するプレイヤーの義務は,相手が無防備な状態にないことを確認し、もしそうなら接触を避けるか最小限に抑えなければならない。)
IIHF OFFICIAL RULE BOOK 2023/24 p-81, Boarding
上記のように、相手選手にボディチェックを行う場合は
相手選手が無防備な状態にないことを確認する必要があり
もし無防備であるならば、接触を避けるか、最低限に抑える必要があると明記されています。
相手のボディチェックに対して体が身構えていれば、大きな怪我に繋がることはそこまで多くありません。
しかし、無防備である場合、
相手のボディチェックの衝撃に耐えるための体勢に構えられなかったり
転んだり吹っ飛ばされたりした時の受け身を取ることができず
大きな怪我につながりため
そのようなプレーは禁止されています。
特に北米のアイスホッケーはかなりフィジカル的に激しく、
例え相手が無防備だったとしても思いっきり肩から正当なボディチェックと食らわすことが当たり前で、
その場にいるみんなが
「その周りを見ていないでやられた奴が悪い。顔上げとけよ(Heads Up!)」
と言ってきます。
まとめ
- 相手選手がパックを保持している、または保持しようとしている
- 接触するのが肩、もしくは胴体(背中以外)
- 相手選手が無防備な体勢ではないこと
(もし無防備であれば、避けるか接触を最小限に抑える必要あり)
(ただし、この観点は緩い) - 相手からパックを引き離すことが目的である
これらの条件が満たされたボディチェックは許される。
正当だとみなされる場合のボディチェックについて解説してきましたが
正当でないボディチェックや反則行為に関してはルールブックに細かく記されており
それらについて解説している記事も多数ございます!
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます!
では、じゃあね!